地震、津波、家事、台風、豪雨……。災害大国日本で自分と家族を守り生き延びるにはどうしたらいいのか。防災士でイラストレーターの草野かおるさんの4コマ漫画を交えて、「防災の基本」をお伝えしよう――。(後編/全2回)

※本稿は、草野かおる『新みんなの防災ハンドブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

地震からたくさんの災害が引き起こされる

「複合災害」が被害を大きくする

地震が恐ろしいのは、地震から引き起こされる二次的な災害が加わり、複合災害になっていくこと。地震によって漏れた油で火災が起きる、地盤がゆるみ、雨が降ったときに地滑りが起きる……。街、海、山、川……そのとき自分はどこにいるのか、誰といるのか。

季節や天気などによって、いつ何時どのような災害が引き起こされるかわかりません。状況に応じて、どのような行動を取れるかで、生きのびれるかどうかが決まります。

イラスト=草野 かおる(以下同)

地震により、避けられないほどの大津波がやってくることも

「見たことがない」は当たり前

2011年3月11日午後2時46分。三陸沖を震源に巨大地震が発生。大きなゆれとともに、海岸線に壁となって押し寄せた大津波により、多くの命が失われました。大津波は、北海道から関東の太平洋沿岸へ押し寄せ、漁船や港、住宅地や農地をのみ込みました。また、津波により冠水した面積は561㎡(山手線の内側面積約9倍)におよびます。

「見たこと、経験したことがない」規模の災害が、近い未来に、必ずやってくると心得て生きていくこと。それが私たちが今できることです。