100メートル45秒のスピードで走れば5時間強で完走できる!

フルマラソンを完走するスピードを体感してみましょう。最初の例に挙げた時速8キロというスピードですが、ビギナーにはピンときませんよね。これはキロ7分30秒ペース。つまり100メートルを45秒で走る速さです。近所の公園で大股で10歩の距離を計って、そこを4~5秒で走ってみてください。いかがでしょう。このスピードを42キロ持続できれば、5時間15分くらいで完走できるのです。無理だと思っていたマラソン完走のイメージが少し湧いてきたのではないでしょうか。苦しいならもっとスピードを遅くしてもかまいません。「東京マラソン」をはじめ制限時間が7時間というレースはいろいろあります。

まずは、ウォーキングです。ウォーキングというと高齢者の運動というイメージですが、故障したトップランナーも取り入れている立派なトレーニングです。デスクワークでなまってしまった腹筋、背筋、脚の筋肉を目覚めさせるためにも、最初は正しく歩く練習から始めます。特に体重過多の方は、ウォーキングをしっかりと。

フォームで大事なのは、頭のてっぺんから肛門までのラインを地面に垂直に保つこと。視線はまっすぐ遠くに。肩甲骨を寄せ、腕は引くことを意識します。腕を引いた側の骨盤を前方に回し、脚を振り出します。脊柱はS字型に湾曲していてクッションの役目を果たしていますが、このバネを最大限に利用して颯爽と歩きます。着地し足に重心が乗った瞬間、地面から戻ってくる反作用のパワーを推進力に変えると、カラダへの衝撃もなく、脚の力だけに頼らないので、楽に進みます。

長距離走のフォームはこの延長上にあります。直立姿勢からカラダの重心を少しずつ前に倒していくと、倒れまいと足が前に自然と出ます。踏み出した足の踝の上に膝、腰、上体を同時に運ぶ。この繰り返しです。頭のてっぺんから真上に糸で吊り上げられているイメージで、腰を高く保ちます。