1キロの減量には100キロのランニングが必要

風呂上がり、鏡に映った自分の裸体。すっかり貫禄のついた腹回り。日頃の運動不足は明らか。なんとかしなきゃ。たっぷり余った脇腹の肉をつまみながら、そうだ世の中マラソンブーム、一丁、俺も走ってみよう。意気揚々と走り始めてみるものの、多くの人は3日坊主で、ハイおしまい。

太り気味の人がなかなか続かない理由は大きく分けて2つ。「効果が出ないから」そして「苦しいから」。マラソンは運動能力というよりも、ビジネスにも欠かせない計画性や自己管理力、忍耐力などが求められるものです。なので無理のない長期計画を立て、じっくり取り組めば、現在、少々メタボ体型の人でも、1~2年後にはフルマラソンを完走できるようになります。

では、まず「効果が出ない」と感じた方。単に走れば痩せると誤解していませんか。消費カロリーが高い運動の代表格のジョグですが、体重70キロの男性が時速8キロのスピードで1時間走っても、消費できるカロリーはおよそ560キロカロリー。牛丼1杯ぶんのカロリーすら消化できません。ざっくりした計算ですが、1キロの脂肪を燃やすには7000キロカロリーぶんの運動が必要なので、1キロ減量するには100キロ走らなければいけません。これは毎日1時間8キロ走っても12.5日かかる計算。残念ながら2、3日頑張って走って体重計に乗ってみても、体重はほとんど変わらないのです。

しかし、すぐに体重は落ちなくても、走り続けていると嬉しい効果がでてきます。まず変化するのがお腹。運動不足で弛緩していた腹筋群が、カラダを支えようとコルセットのように収縮しはじめ、ウエストが締まってきます。また、脚の筋肉、なかでも脛の外側の筋肉が発達してきます。こういったカラダの変化を楽しむのも続けるコツです。