森会長が「11日にIOC側から初めて聞いた」と繰り返すワケ

2つ目は、「10月11日」に森会長は今回の重大な変更を初めて知ったとしているが、それならば、なぜ「10月8日」に五輪チケットの2次抽選販売延期を組織委が発表したのかという点だ。

その際、組織委は「一部関係者との調整がつかなかった」としていたが、それがどのような理由だったのか国民はいまだ分からないままだ。また、森会長は「10月9日」に安倍晋三首相と会談し、「10月10日」には橋本聖子五輪相や秋元克広札幌市長と会ったとみられている。

「森会長は少なくとも10月8日の段階では実は『札幌変更案』について知っていたが、政敵である小池都知事を外すために隠していたのではないか」「11日にIOC側から初めて聞いた、と言わざるを得ないのは9日と10日の森会長の動きについて説明ができないからだ」との疑念の声も聞こえてくる。

宿泊、移動、警備などの「二重投資」は誰が被るのか

そして、3つ目は、森会長はIOCからの突然の提案に「NO」と言えなかったのかという点だ。

言うまでもなく、五輪憲章や開催都市契約にはIOCに強大すぎる権限がある。だが、組織委や東京都はこれまでIOCの助言を受けながら多額の費用と時間をかけて暑さ対策を進めてきた経緯があり、東京から札幌に変更となれば「二重投資」となる。

販売済みの観戦チケットへの対応や宿泊、移動、警備などの追加コストの問題も生じるため、「日本の元総理大臣なのに、なぜIOCと毅然とした交渉もせずに唯々諾々と従ってしまったのか。この『事なかれ主義』が一連の問題を複雑にしているのに、都民、国民の税金をなんだと思っているのか」(都内在住の40代男性)との声も漏れる。

森会長は「IOCと国際陸連が賛成しているのに組織委員会がダメだと言えますか? 受けないといけない」などと語っているが、こうした発言も都民が怒りを増幅させている背景にありそうだ。