しかも、ホストクラブは「お金を払えば、男性を独占できる場所」だ。ただでさえおかしくなりがちな性欲と恋愛感情が、お酒によってさらに加速する。

ホストに対しての執着心や独占欲が湧いてくることにより、『嫉妬』の感情が発露し、傍から見れば滑稽な行動を取り始める。

例えば、指名しているホストが被っている女の子に嫉妬して、そのホストに八つ当たりをしたり、構ってもらいたくて、別のホストクラブに遊びに行ってみたり。

「こうすれば担当ホストから叱ってもらえる」と考えた

私は「こうすれば担当ホストから叱ってもらえる」と思った。叱るという行為は、親が我が子に対して行うように、本来は愛情がないとできない行為。特別な存在だからこそしてもらえる行為。私は、特別な存在になりたかったのだ。

ある日、ホストから「女の子を叱ることは、仕事だ」と告げられたことがある。それだけでなく、女の子の家で一日30分も過ごせば、同棲だと思い込む女の子がいるなど、営業テクニックを教えてもらった。

私が渇望していたものの正体が仕事だと告げられてショックを受けたと思うかもしれないが、私はそのことを素直に告白してくれたことが、嬉しかった。倒錯しているかもしれないが、特別扱いされていると思った。

ホストに通うためには多額のお金が必要になるから、私は風俗で働いていた。ホストの「告白」のおかげで、風俗にやってくる客への対応もうまくなった。性的に満足させることも大切だが、私から特別扱いされていると思い込ませることが何より重要だと悟った。