“京阪神”の周遊コースは車移動がお得

家族で来る場合、運転手(兼ガイド)ごとワンボックスカーをチャーターすれば、大阪に泊まって、京都や神戸へ遊びにいくのも楽になります。もちろん京阪神は交通機関が発達していますが、小さな子供を連れての電車移動も大変ですから。

たとえば大阪で車をチャーターして、大阪城、黒門市場、住吉大社、桜之宮公園をまわるコースの場合、一人374元(約6000円)。たくさんある配車アプリの中のひとつは4人乗りの車しかなかったので、5~6人で来た場合は2台頼む必要がありますが。

ちょっと足をのばすとしても、それほど高くないのです。同じく大阪で車をチャーターして、奈良の東大寺、奈良公園、京都の平等院、嵐山をまわるコースでも、一人650元(約1万円)ですから、子連れであれば使う人は多いと思います。

チャーターした車に、空港まで迎えにきてもらうことも多い。でも、成田~東京は距離が離れすぎていて、高くつく。羽田は逆に便利すぎて、電車でも不便を感じない。そういう意味で、関空は適度な距離にあるわけです。

“足”を確保しないと白タクは増えるばかり

こうした中国人向けタクシーには、国から営業許可を得ていない「白タク」も少なくないはずです。でも、支払いは中国にいるあいだにアリペイやウィーチャットペイですませているので、空港で取り締まろうにも、「親戚を迎えにきただけだ」と言い張られてしまっては、それ以上、追及できないのです。

この「足」の問題を放置したまま、地方にインバウンド需要を呼びこもうとしても、無理があると思います。地方には車でしか行けないような旅館も多いので、このままだと白タクもはびこるままです。

なんらかの条件付きであっても、レンタカーの使用を認めるようにするとか、解決策を考える必要があると思います。アメリカでは中国の運転免許証で運転できますが、特に問題は起きていないのですから。

「もっとも日本らしくない都市」と紹介される

人民日報系列の新聞で、海外ニュースを中心に報道している「環球時報」が、大阪を「もっとも日本らしくない都市」と紹介したことがあります。「東京人が他人行儀でクールなのに対し、大阪人は率直で情熱的。東京の電車内は静かだが、大阪の電車内は笑い声がよく聞かれる」と。

たしかに、私自身、こんな声を聞いたことがあります。

「東京の地下鉄は話もしちゃいけない雰囲気だけど、大阪の地下鉄は大声で話している日本人がいるので安心する」
「東京へ行くときは、きちんとした格好をするとか、少し身がまえちゃう。大阪へ行くときはちょっとラフになる」