他人の葬儀には行くべきか、行かないべきか。漫画家の蛭子能収さんは「葬式に出るとつい笑ってしまう。だから葬式に行くのが嫌だし、自分の葬式にも来てもらわなくていいと思っている。死んだ後に他人の時間と金を奪いたくない」と本音を吐露する――。
※本稿は、蛭子能収『死にたくない 一億総終活時代の人生観』(角川新書)の一部を再編集したものです。
葬式に行かなくてはと思うと憂鬱になる
そういえば最近、昭和の俳優さんをはじめ著名人が亡くなることが増えてきました。とくに平成の終わりごろは、なんだかとても多かった気がします。ただ、僕の知っている人も何人か亡くなったものの、葬式にはまったく行きませんでした。線香をあげにも行っていないし、それはちょっと悪いなあと思っています。
ただ、これはほうぼうで言っていることなのだけど、僕は人の葬式にまったく行かない代わりに、自分の葬式にも来てもらわなくていいと考えています。不謹慎なのかもしれないけれど、「あの人亡くなったらしいよ。葬式に行かなくては」なんて言われると、「ああ、また行かなくちゃいけないのか……」って憂鬱になってしまうのです。
なぜなら、単純に葬式に行くのがものすごく嫌だから、です。そんな人って、本当は意外に多いような気がするな。
たしかに、故人との最後のお別れの機会なので、「いま行かずしていつ行くのか?」という気持ちはなんとなく理解できます。でも、死んだ時点ですでに別れちゃっているわけだし、生きている人がわざわざ集まって死んだ人を見に行くのも……って思うのです。
それなら、生きているうちに会ったほうがいいじゃないですか。