「稼げるスキル」は「稼ごうとしない」ことで手に入る

心が満たされること、それこそ働くモチベーションの源泉となるし、厳しい状況の中でセルフリーダーシップを発揮する条件だ。

心が満たされる好きなことは自分の価値観に合致していることが多いし、そこで頑張れば自分のスキルにもなる。セルフリーダーシップを発揮して、心が満たされることを夢中でやり続けていたら80歳になっていた。ふと振り返ったら、その道のりが自分のキャリアだった―これは最高のハッピーエンドだ。

「お金か、やりがいか」という議論はしばしばなされているし、もちろんお金は必要だ。特にこれからの少子高齢化、そして人生100年時代を考えると、これまで以上にお金が大事だともいえる。個人の力であるスキルには、「稼げるスキル」という面が備わっていなければいけない。

そして逆説的だが、「稼げるスキル」は、「稼ごうとしない」ことで手に入る時代になっているのだ。なぜならば、長期にわたり働くことを考えると、今稼げるスキルは、将来稼げるスキルだとは限らないからだ。

嫌なことからは全力で逃げたほうがいい

時代に合った新しい稼げるスキルは、「たとえそのときは稼げなくても、本気になって頑張れる」仕事を通じてでしか身につけられない。だからこそ、心を満たす仕事をすることが大事だ。

南章行『好きなことしか本気になれない。人生100年時代のサバイバル仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

好きなことであれば人は頑張れるし、好きで得意で頑張れる仕事のほうが、お金をたくさん稼げる確率が高くなる。長く働き続けるには、我慢ではなく、やっていてわくわくすることを見つけるべきだ。その意味で、心が否定するものからは、全力で逃げたほうがいい。

スキルはひとつでなくていいから、「そこそこ好きで、わりと稼げる仕事」と「稼げなくても心満たされる仕事」の二つを持つというスタイルもいいだろう。

やるべきことを一生懸命やりつつも、自分の価値観に従って「ああ、こっちかも」と思ったら違うやり方もとれる、ゆるやかなスタンス。この過去に縛られない自由なスタンスが、得意で好きなことを仕事にするためには大切だ。

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