「一貫性」に縛られすぎるとチャンスを逃す
時代は変わるし、自分の興味や関心も変わる。長期プランというのは堅実そうだが、不確実な時代に無理やり長期プランを立てると、方向転換のタイミングを逃したり、間違ったキャリアプランにいつまでもしがみついたりする羽目になるだろう。
「私には長期プランがあって、今は目標に向かって頑張っている途中だから」と言えば、なんだか格好いい一途なセリフに聞こえるが、実はチャレンジしない言い訳だったりする。長期プランを立てると「今は準備段階だから、成果を出さなくてもよい」などと、自分のなかに甘えが生まれてしまうからだ。
皆さんの周りにもいるだろう、「今の部署で3年くらい経験を積んでから起業する/転職する」と言いながら、結局アクションをしないで何年も経っている人が。まだ準備ができていないから今は自分に投資するべき、などと言いながら、ずるっと遅れていく。
また、一途というのは、方向転換がきかない不自由な状態でもある。あまりに明確なゴールを設定し、そこに向けて走り始めてしまうと、前提としている社会や自分の興味関心が変わっても、「これを目指す!」と宣言した自分の言葉に嘘がつけなくなってしまう。
無意識のうちに、一貫性を維持しようと心の片隅にある違和感を押し殺し、時にはチャンスを逃すことにつながってしまうのだ。
この「違和感」こそ、時代への適応だったり自分の成長だったりすることを、忘れずにいたい。
「心が満たされる好きなこと」でしか稼げない
仕事はしんどいことも多々あり、僕たちはそれを長く続けるのだから、モチベーションを維持する源泉が不可欠だ。かつてそれは組織のなかで評価されることだったり、昇進・昇給だったりしたが、これからは違う。
仮にあなたに「よくやった!」とほめてくれる最高の上司がいたとしても、永遠にその人が上司というわけではない。尊敬できるカリスマ社長のもとで認められるのもいいが、「誰かに認められる」という他者評価は絶対ではない。人の思惑に縛られるというのは、過去の経験に縛られるのと同じで、未来の選択肢を狭めることになる。
昇進や昇給がモチベーションになる時代も過去の話だ。80歳まで働く社会では定年まで昇進や昇給が続いていくことなんてありえない。年齢とともに思うように働けない苦しみと向き合うこともあるだろう。
そこでこれからのキャリアには、「その仕事で、自分の心が満たされるか?」ということが大切になると僕は考えている。