他人のうんこで「何かが変わった気がしました」

これは、腸の疾患だけでなく、糖尿病やがん、動脈硬化、花粉症など細菌叢との関連が指摘されている疾病の治療法としても、注目されはじめています。

すでにアメリカでは、難治性の腸管感染症の有効な治療法として政府機関が提示していますし、日本でも、潰瘍性大腸炎の治療などに役立てようと、順天堂大学などいくつかの大学が2014年頃から臨床試験を行っています。

たとえば、臨床試験の結果、うつ病だった患者さんの中には、「以前のように理由もなくふさぎ込むとか感情が突然爆発するようなことがなくなり、自分の中で何かが変わった気がしました」と、確かな効果を実感している人もいます。

工藤孝文『ざんねんな人体のしくみ』(青春出版社)

現在、一般的には、便を生理食塩水に溶かし、ろ過した菌液を内視鏡で大腸に注入する方法がとられていますが、今後、より患者さんに負担が少なくなるように、菌が生着しやすい特殊な液に便を溶かし、ゴム製の管で浣腸する方法が研究されています。

将来的には、例えば緊張しないためとか、やせるためとかに、腸内細菌入りタブレットを飲むような形にまで進化するかもしれません。

しかし、どんなに効果的な治療だったとしても、他人のうんこを体内にとりいれると思うと、どうしてもざんねんな気持ちになってしまうかもしれませんね。

ちなみに、赤ちゃんは生まれるとき、産道を通ることで母親から細菌を受け継ぐといわれており、人の腸内細菌の形成はここからはじまると考えられています。また、行きすぎた除菌習慣や抗生物質の乱用が腸内フローラの多様性を減少させ、疾病を招いていると指摘している専門家もいます。

【関連記事】
歯磨きしても口がクサいと言われる人の特徴5
ヤバい病院は「待合室」を見ればモロバレ
会社トイレで搾乳した外資系役員の"成功双六"
男の性癖のため肉体を改造する売春婦の姿
76歳の骨密度を20代に戻した"圧力鍋レシピ"