母親のしつけの質は、学歴で大きな差がある

調査では、子育てについてのストレスも調べています。「子育てによる体の疲れが大きい」「自分の自由な時間が持てない」など全部で18項目について、当てはまるかどうかを回答してもらい、その回答を統計的に処理することで、子育てストレスの指標を作成しました。

また、子育てからくる主観的幸福度は、「家族の結びつきが深まった」「子どもとのふれあいが楽しい」など全8項目の質問について、当てはまるかどうかを回答してもらい、そこから統計的処理を経て、幸福度についての指標を作成しました。

図表1は、これらの指標を示したものです。子どもの発達指標同様、平均0、標準偏差が1になるように作成しています。しつけの質は、お母さんが4大卒以上である場合、0.23とプラスの大きな値になっています。お母さんが高校を卒業していない場合には、マイナス0.25とマイナスの大きな値です。両者の差は標準偏差でおよそ0.5、偏差値で言うなら5違うわけですから、お母さんのしつけの質には、その学歴によって大きな差があると言えます。

学歴が高いほうが子育ての幸福度は高くなる

真ん中のグラフは子育てストレスです。お母さんが4大卒以上であれば0.04、高校を卒業していなければ0.07ですから、どちらも平均より強いストレスだと言えますが、数字自体は小さなものです。

一番下のグラフは、幸福度を示しています。お母さんが4大卒以上であれば0.13、高校を卒業していないならばマイナス0.18ということで、学歴が高いほうが幸福度も高くなっています。その差も、小さくはありません。

子どもの発達だけでなく、お母さんのしつけの質や幸福度も、学歴間で大きな違いがあることが明らかになりました。