▼お墓編
遠方の墓を家の近くに移す正しい手順

墓の悩みは「祭祀承継者」にかかっている

墓については「すでに墓があるのか、ないのか」で選択肢は変わる。墓がない場合、すでにある身内の墓に入るのか、それとも新たな墓を求めるのかを決める必要がある。

写真=iStock.com/AH86
※写真はイメージです

「納骨のタイミングについては実は決まったルールがなく、菩提寺との相談になります。すでに墓がある場合は四十九日に合わせて納骨するのが一般的ですが、菩提寺や墓がない場合は、新しい墓が決まるまで骨壺のまま、自宅に置いても構いません」(行政書士の明石久美氏、以下同)

親が管理していた墓はあるものの、墓地が遠方にあり、今後の管理を引き受けるのは難しいというケースも考えられる。

「選択肢としては、まずその地域に住む親族に祭祀承継者として墓を管理してほしいとお願いする方法があります」

親族の承諾が得られれば、墓の永代使用権を引き継ぐ。今後はその親族が寺院や霊園と契約し、維持費を負担することになるため、その費用をどうするのか話し合う必要がある。

では、管理を引き受けてくれる親族がいない場合にはどうすればいいのか。

「寺院や霊園が遺骨を管理・供養してくれる『永代供養』にする選択肢もあります。永代供養には、従来の墓のまま、永代供養扱いにしてもらう方法と、従来の墓から遺骨を取り出し、『永代供養の墓』に移す方法の大きく2つがあります」