私大へ進学した長女のための仕送り月20万円+αも痛い

麻衣さんのほうも大都会・東京での初めてのひとり暮らしで浪費しがちです。毎月、仕送りの追加要求が2万~3万円あり、5月の大型連休ではホームシックで帰省し、往復の飛行機代などイレギュラーな支出もありました。加えて、次女の芽衣さんも来年の大学受験を控え、予備校代、模試代も増えてきました。そして稔さんは思うように仕事ができないストレスからか、お酒の量が増えました。

「このままでは毎月の赤字をボーナスでも補塡ほてんできなくなるかもしれないし、貯金にも手をつけることになると思うと、もう、心配で心配で」と、由美さんは精神的にかなり追い込まれた状態です。

毎月安定した高収入を得ていても、予期せぬ事故などで収入が激減し、赤字になってしまうことは、あまり多いケースではないとはいえ、誰にでも起こり得ることです。また、子どもの進路も親の期待どおりにはなかなかいかないもの。

由美さんは「東京で私立大学に通わせる親の経済的負担の大きさ」をこぼしたい気持ちをぐっと我慢にして、子どもの決めた道を応援しようと心に決めました。

ただ、そうはいっても、毎月23万円の赤字が続いているのは、危機的な状況であることに変わりありません。由美さんは長い間家計簿をつけていたそうですので、家計簿を拝見しながら、対策を考えていくことにしました。

「月23万円の赤字」を放置したヤバすぎる家計のすべて

由美さんは長年、雑誌の付録の家計簿を愛用し、「日記も兼ねて」ほぼ毎日家計簿をつけているそうです。几帳面に細かく記入、集計するのがモットーで、ページを開くと、「食パン6枚切り・218円」「ヨーグルト・特売138円×5個」など、買ったもの一つひとつの金額、個数、特売情報などを詳細に記入した、「文字で埋め尽くされた家計簿」でした。

メタボ家計 BEFORE→AFTER

ですが詳細に記入してある割には、家計管理にはあまり生かされていないようです。

稔さんの収入が毎月100万円近くあった1年前の家計簿と比較すると、食費、日用品費、通信費、被服費、交際費、嗜好品代などの支出額が、ほとんど変わっていませんでした。麻衣さんは東京で生活し、現在は家族3人なので、これはやや使い過ぎでしょう。