進次郎氏はこれまで、折に触れ報道陣の質問に応じるかたちで、自身の結婚観について語ってきた。政治家を輩出してきた小泉家の4代目。実際に子どもに政治家を継がせるかどうかは別として、結婚や跡継ぎへの期待は地元だけではなかった。全国を選挙で回っても「結婚は?」と声をかけられ、先月の参院選でもそう。結婚は避けては通れない問題でもあった。
しかも普通の政治家と違い、「政界のプリンス」の結婚だ。どこか、やじ馬的な視線が入った興味が注がれてきた。以前、女性に関するうわさがないことを揶揄するような報道があった際は、「ちょっと気をつければ『女っ気がない』、鼻の下を伸ばすと『女好き』と書かれる。もう、何を書いてもらってもいい。まな板の上のコイズミです」と、トホホな表情で語った。
家の中まで議論したくない
当選回数が若いころは、結婚相手の「願望」も明かした。2013年3月、当時の少子化担当大臣の作業チームが、それまで子育て世代が優先されていた政策の支援を、婚活世代にも広げる方針となり、その感想を問われた。
進次郎氏は「自分自身の立場を踏まえていえば、国会の中は出会いの場じゃないですから。出会いがあっても、僕は国会(議員同士の結婚)は嫌です。家の中まで議論したくないからね。でも、くっついている方も、けっこういますね。大変だなあ。僕はそれはないですね」。
当時から、相手は同業以外を望んでいたようだ。結婚会見では自身が身を置く政治の世界を「戦場」と語ったくらいだ。家庭が戦場の延長線上にあることは、避けたかったのだろう。
このときは同時に、メディアだけでなく、一般の国民からも動向をキャッチされる可能性があることに警戒感を隠さなかった。「みなさんの監視が、もう少し緩ければ楽なんですが……。今は大変です。ツイッターやフェイスブックもあり、一人一人がマスコミみたいな感じだから」と嘆き、「それ(メディアや大衆の監視)をどう、かいくぐって(結婚し)、少子化を堂々と語れる立場になれるか。これが、一番時間がかかるかもしれませんね」。
「時間がかかる」とした最後のフレーズは笑い交じりに話していたが、結果としてまさに監視をかいくぐり、6年前の言葉を「有言実行」した。