全ての大人たちよ。もっと怒りましょう

〈犯人の実名報道、よくやってくださいました。
これがもし我が娘であったなら、私は必ず親としての弔い合戦をせずにはおきません。たとえ自分の命にかえてでも。そうでなければ、あの世で娘に合わす顔がないではありませんか。「かたきは取ってやったよ」と言えぬではありませんか。
国家がそれをどうしても禁ずると言うのなら、納得のいく刑罰が加えられねばなりません。少年法を改正すべきです。
全ての大人たちよ。もっと怒りましょう。真剣に。そうしないと私達は、自分たちの社会すら守れなくなるでしょう。(愛知県)〉
〈文春を見直しました。良識派ぶって実名を出さない朝日なんかよりよほど国民の正義感に応えているし、少年法で刑罰が軽くなってしまう今回の事件においては、実名を出してのキャンペーンはマスコミとしても義務だとさえ思います。
法律が少年の「保護」を言うのなら、せめてマスコミは声なき被害者と遺族の「声」になってあげてください。人権云々は事件を担当した弁護士や判事が言えばいいことです。
私はクリスチャンです。しかし、私なら家を売り払ってでも金を作り、計画を練り、人を頼んででも残りの人生を犯人への報復に賭けます。こればかりは許せません。紋切り型に「赦しましょう」という神父など、張り倒してやるでしょう。
週刊文春は、どうかこれからも被害者と遺族の「声」になってあげてください。「社会の歪み」がどうの、「人権」がどうのと御託をならべるより、「声」を奪われた被害者、何を言う気力も無くしているだろう遺族の「声」に。(茅ヶ崎市 会社員 28歳)〉

「野獣に人権はない」

花田編集長が覚悟を決め、「野獣に人権はない」と強い姿勢を貫いたことも、世論を喚起する一因となった。『朝日新聞』同年4月30日日曜版のインタビューで、花田さんはこう語っている。

〈もちろん悩んだというか、すぐには決めかねました。うちは2回記事を出したんですが、1回目は仮名にしました。が、第2弾の取材をしているうちに、いかにひどいかということがわかってきて、編集部の中で、これは実名にすべきじゃないかという声が出てきた。要するに、(中略)野獣に人権はない、と。(中略)
正直いって、反発の方が多いんじゃないかと予想してたんです。人権うんぬんでジャンジャン電話がかかってくるだろうと考えたんですが、意外にも実際には2件程度で。『よくぞやってくれた』という投書が何十通もきて(中略)。人権うんぬんという人にはね、『それじゃあ、殺されたE子さんの親御さんの前で、そのせりふが吐けますか』と問いたい気持ちです」〉

賛否両論を予想した『週刊文春』読者の反応は、おおむね好意的だった。編集部に寄せられた約50通の投書のうち、実名報道に反対する意見は4通だけ。

少年法改正への動きは、一気に加速するかに思えた。

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