給与は日払い制、ベース以降は上がりっぱなし

沖縄県のキャバクラは給料が日払いになっているため、月収ではなく日給・時給を紹介した。そもそも、業界に月給という感覚があまりないのだ。また、アンケート全体を見てみると、日給の相場は1万5000円ほどだが、仲村のお店は時給から引かれるものがない。ベース以降はプラスにしかならないシステムになっている。

出勤日数については、「月に15日」という回答が多かった。しかし、お店の人がアンケートに協力してくれそうな女性キャストを選んだ時に、多く出勤している人がメインになった可能性も考えられる。

女性キャスト以外のスタッフや客引きの給料はどうなっているのだろうか。仲村によると、彼らの人件費だけでも年間1800万円かかるそうだ。店内スタッフの給料は、時給1000円からスタート。他のお店では時給800円のところもあるが、仲村のお店は仕事ぶりを見て時給が上がっていく。客引きの給料は時給に加えてインセンティブがつく仕組みだ。

松山エリアへと通じる交差点
撮影=上原 由佳子
松山エリアへと通じる交差点。飲食店のほか、キャバクラや風俗店も多く並んでいる

「多くを求めても返ってこないからさ」

仲村いわく「キャッチ(客引き)で一番稼いでいるのは月50万円もらっているよ」とのこと。他店は時給800円が相場だが、仲村のお店は男性スタッフも稼げるようになっている。もちろん、客引きは違法だ。しかし、沖縄の歓楽街では客引きがお店にお客を入れない限り、お客が入ってくることはほとんどない。客引きが命綱となっているのだ。

ということは、スタッフや客引きのモチベーション管理も必要となってくる。従業員に対して厳しいことも言わないといけないこともあるだろう。「俺は基本的に厳しくしないし、仕事の話も要所要所でしかしない。店内にいるスタッフに関しては、外もそうだけど、『人対人』だから基本的なことだけ教えて、あとはどれだけ目配り気配りできるのか話をする」(仲村)そうだ。

一方で、女性キャストに対してはどう思っているのだろうか。

「俺は感謝しているし、ありがたいんだけど、多くを求めたら返ってこないのが分かっているからさ。線引きも必要だし。ゆくゆくは、辞めていく子たちだから。深入りはしない。やってあげても裏切る子もいるから。一方的に辞める子もいるから。やってくれる子には、やってあげるけど。ギブ・アンド・テークのバランスが難しいというか……」と、距離感とバランスについての考え事は尽きないようだ。