今まで知られていなかったそんな一面を「世界遺産を持つ堺市は、お茶の聖地でもありまっせ」と世界にアピールするチャンスができたのです。世界遺産登録を機に、ついに堺市はバッターボックスに立つことがかないました。

東京五輪後は、大阪の時代がやってくるんや!

だけど、登録されたことがゴールでなく、それを契機に眠っていたものをどう掘り起こすかが本当の勝負です。古墳を上から見られるようガス気球を飛ばすとか、駅を降りたらいきなりお茶の香りがしてくるようにし、みんなでお茶で乾杯できるようにするとか。堺市の駅を「千利休駅」に名前を変えようとも思っています。どこの駅かって言われても、それは知らんけど。

時事通信フォト=写真

そういう思い切ったことも考えられるほど、今の大阪は勢いづいている。大阪ではこの5年間でホテルの部屋が2万室も増えたし、これからも建設ラッシュでどんどん増えていきます。訪日観光客も、今日本全体で約3000万人のところを将来6000万人にまで伸ばそうとしていますが、それには僕ら大阪がぐいぐい引っ張っていかなあかん。今、大阪の外国人観光客は1141万人やけど、2000万人くらいまで伸ばしていくつもりです。

何度も言うけど、今大阪は勢いがあるから、その目標もきっと達成するでしょう。関西国際空港(関空)の便数はうなぎ上りに増えているし、G20で大阪は世界的に見てもなかなかおもろい都市やと認められましたし。

2025年に開催予定の大阪万博のイメージ図。さらなるビジネスの機運が高まる。

さらに、これからもIR誘致や万博といったプロジェクトを控えている。プロジェクトがあることで、「人・物・金・情報」がぐいぐいここに引き付けられてくるのです。「人・物・金・情報」が飛び交うぐらいの活力を呼び起こせるかどうかが、観光などの都市戦略において重要なポイント。その4つって、いわゆる景気対策のキーでしょう。「おっ、何かあそこ行ったら、人・物・金・情報がうごめいてるやん」と思わせる感覚が大事なんです。G20、世界遺産登録と続いて、大阪は今もうノリノリ。「もうかりまっせ!」「元気でっせ!」の雰囲気に包まれ、活力とドリームで街全体がにぎわっています。

なぜ今、大阪にいいニュースが続いているのか。確かに、20~30年前には暗い話しかなかったです。その状況を転換できたのは、08年に誕生した橋下徹府知事(当時)の存在が大きい。たとえば、関空の経営を改善するために伊丹国際空港と関空を一本化しようと言い出したのも橋下氏ですが、それまでの府知事ではそんな発想は考えられなかったのです。