落合陽一さんは「会ってみると好感度が高い」

クリエイティブなのは、尖った人で、円い人は、成功などしない。道徳的な人はつまらない。そう思う人のために補足しておきましょう。

成功している人は、イメージは確かに尖っていても、実際はそうでないことが多いものです。たとえば、研究者であり、アーティストであり、実業家でもある落合陽一さんは、とても尖った存在感を出していますが、実際に会ってみると、好感度の高い人です。宇宙開発事業をしている堀江貴文さんや、アーティストで実業家の猪子寿之さんも、フレンドリーです。

彼らは常識外れで、とんでもないことを言ったり、やったりする人に見えるけれども、実際の仕事の相手や、仕事自体に対しては、大変礼を尽くします。周りも見えているし、自分の欲望に対しても忠実という生き方をしているのだと思います。本当に素でも尖っているという人は、だんだん仲間も仕事も減ってしまうのではないでしょうか。

「尖っているほうがかっこいい」は時代遅れだ

そういう人は、おそらく世間の人々の目には入ってきません。目立っている落合さん、堀江さん、猪子さんはイメージだけは尖っているけれども、実際には協調性があるのに、実績があるから目立ってしまうだけです。本当に素でも尖って、他人をばかにしているような人は、愛されないし、仕事ももらえていないはずです。

もうそろそろ「尖っているほうがかっこいい」という見方から離れ、「円熟」の効用を真剣に考えなくてはならない時期に来ています。尖っていて、華やかで、ぱっとその場で目を引くようなものが偉いというより、地味に見えるかもしれないけれど、本当に味わい深いもの、一生持っていけるような深い知恵とは何なのかと見直していくことで、多くの人が救われるのではないかと思います。