ルーズソックス、白いたい焼き、ハイパーヨーヨーは覚えているでしょう。一時流行りましたが、今はもう見る機会はほとんどありません。このように流行り廃たりが激しいビジネスは、一時どんなに大きく儲かってもボーナスを一時的に上げるくらいしかできません。

入社時の報酬ラインは、昇進してもつきまとう

また、「あなたが転職した時にいくらで売れるか?」も重要です。

通常、転職時に大幅に報酬をあげることは難しいのです。仕事の値札は「人材の需要と供給」と「ビジネスモデルの収益性」の関係で決まることは言いましたが、さらにそこに現在の年収水準を加味した上で調整するからです。

なぜなら、報酬設定はその会社が定める上限・下限の範囲の中で決まるからです。

「どんな係長でも年収450万円で全員一緒」という組織はほぼありません。会社の報酬制度の設計にもよりますが、通常は報酬額に上限と下限を決め、幅を設けています。なので、今の報酬額が低く、値札が高い仕事に転職が決まったとしても、下限までの範囲に収まるなら、現状維持か気持ちだけ少し報酬があがるくらいが現実です。

喜んだのは最初だけ。同じ仕事をする同僚はあなたより、はるかに報酬をもらっていることがわかると釈然としないでしょう。

しかも、その会社の報酬設計にもよりますが、係長から課長に出世しても、課長の報酬の下限内で収まるなら報酬額は少ししか上がらないということも起きうるのです。いくら出世しても、入社時の安い報酬額はつきまとい続けるのです。

向いている仕事は一番大事ですが、次に重要なのが儲かる仕事につくことです。向いていることなら、好きでない、やりたくないことでも、実際やってみると、やりがいも湧いてくるので段々好きになってきます。結果がでても好きだとは思えない時があったら冷静に仕事相手やお客様との関わりを客観視し、他に向いていることがないか探してみましょう。

仕事の値札に合った「会社のライフサイクル」とは

「大企業からベンチャーに入ったら、人生がまったく安定しないアドベンチャーになった」と頭を抱える人は、大量に存在します。逆に大企業からベンチャーに移って成功している人もいます。

その差は何か。会社の事業のライフサイクル「導入」「成長」「安定」「衰退・再展開」のどのフェーズがいまの自分にあっているかを知り、その枠組みから出ずに異動や転職をするので成功しているのです。

成功するためには把握することが欠かせない4つのライフサイクルとは何か。各フェーズの特徴を解説します。