対象企業への規制権限が複数の省庁に分かれている

また、アップルやグーグルの「アプリストア」についても同様のアンケートが採られ、「一方的に変更された」という回答が前者では81.4%、後者では73.8%に達していた。

この中間報告で公取委は、今後の調査・検討の「視点」として、独禁法上、「利用事業者の事業活動を不当に拘束していないか,といった点が論点になり得る」とした。また、競争政策上の観点からも、「オンラインモール運営事業者と利用事業者の間における取引条件の透明性が十分に確保されていることが望ましい」としたうえで、「オンラインモール運営事業者による運用や検索アルゴリズムの不透明さなどといった点についても論点になり得る」と指摘していた。

「論点になり得る」ということは規制に乗り出すということか、というと、どうもそうではない。

プラットフォーマー企業に対する規制権限は、日本の場合、いくつかの省庁に分かれている。通信事業者などを監督する総務省や、産業育成などで一般企業を担当する経済産業省、そして競争政策を受け持つ公正取引委員会が主な規制官庁だ。欧米は伝統的に競争政策を担う独占禁止当局の力が強く、今回のGAFA規制でも独禁当局が主導権を握っている。

公取委の力は、経産省や総務省より弱い

ところが日本の場合、霞が関内での公正取引員会の力が弱く、経済産業省や総務省など業界とつながった各省庁に政策的な主導権が移りがちになっている。

5月21日に、経産省と総務省、公正取引委員会が発表した「プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備に関するオプション」は、そうした力関係が鮮明に表れた。

今後のルール整備に向けての「基本的な視点」から、当初の規制議論の色彩が一気にトーンダウンしている。こんな具合だ。

「デジタル・プラットフォームは、これを利用する事業者・消費者に効率性や安全性等の多大な便益をもたらすものであり、今や事業者・消費者の社会経済生活において不可欠な存在となっている」
「こうしたデジタル・プラットフォーム経済が更なる発展を健全に遂げていくためには、消費者との関係はもちろん、事業者との関係も含め、利用者層それぞれとの間で公正な取引慣行を構築することで、社会的信頼を勝ち取っていくことが重要である」

もはやプラットフォーマー企業は必要不可欠な存在だとしたうえで、規制についてもこう述べている。

「過剰な規制によって未知の新たなイノベーションに対する抑止となることのないようにしなければならない」