3男1女を育て、全員を国内最難関の東京大学理Ⅲ(医学部)へ合格させた佐藤亮子さん。その子育ては「3歳までに1人につき、のべ1万冊の読み聞かせをし、のべ1万回童謡を歌って聞かせた」というものだったという。『「東大に入る子」は5歳で決まる』の著者で精神科医の和田秀樹さんと「0歳から始める本当の英才教育」について対談してもらった――。

※本稿は、『プレジデントベイビー 0歳からの知育大百科 2019完全保存版』の掲載記事を再編集したものです。

プレジデントベイビー 0歳からの知育大百科 2019完全保存版』より。右が佐藤亮子さん、左が和田秀樹さん。(撮影=市来朋久)

「6歳になるまではうんと甘やかした」

【佐藤亮子ママ】和田先生は、幼児教育に必要なのは子どもに「根拠のない自信」を持たせることだ、といつも言われていますよね?

【精神科医・和田秀樹】小学校入学までに、子どもに「自分は賢いんだ!」という自信を持たせることはホントに大切なんです。今、自分で幼児教育にも携わるようになって思うのは、子どもというのは「自分が賢い」という自信があればあるほど、喜んで学ぶ生き物なんですね。大人は逆。自分が賢いと思っている人は勉強しない(笑)。

【佐藤】なるほど。

【和田】逆に絶対にNGなのは、子どもに「自分はダメだ」と思わせてしまうこと。無理な課題を強制したり、できないことをしかったりすると子どもは勉強嫌いになってしまう。とにかく褒めることなんです。精神分析学者のハインツ・コフートの説によれば、褒められて育った人間のほうが野心的になるし、ストレス耐性も強い。ですから、幼児教育に必要なのは、実は叱られる体験や子どもがイヤだなと思うことを徹底して排除することなんです。

【佐藤】わかりますね。私も子どもたちが6歳になるまではうんと甘やかしたんです。習い事の準備などは全部私がしました。すると先生から、「忘れ物をしなくてえらいね」って褒めてもらえる。それが自信になっていくんですね。

【和田】6歳までは、褒めて褒めて褒めまくる。うぬぼれるくらいでいい(笑)。子どもが楽しそうにしていることが正解。それを親や周囲の大人たちが認め、褒めてやることで、子どもは生きていることが楽しいと実感することができるし、自分は大丈夫という自己肯定感を育むことができるんですね。

【佐藤】わが家も小学校に上がるまでは、とにかく思いっきり遊ばせました。その中で好きになったものを、ハンパでなく、すご~く伸ばしていくことを心がけていました。夢中になるのは勉強やスポーツといった王道のものじゃなくてもいい。ウルトラマンでも、なんでもいいんだと思います。

3歳までに1人につき、のべ1万冊の読み聞かせをした

【和田】ボクも小さい頃はミニカーが大好きで「車の名前ならば誰よりも知っている!」と、自信満々でしたよ(笑)。あと、もうひとつ大切なのが賢いことはカッコいい、勉強することはカッコいいという思い込みを子どもに持たせること。東大とか医者とか、そういうものに対する憧れをじわっと持たせる。

【佐藤】じわっとね(笑)。私も家の中の知的な雰囲気は大切にしていました。身近なところに新聞や本を置いたり、読み聞かせをしたり。3歳までに1人につき、のべ1万冊の読み聞かせをし、のべ1万回童謡を歌って聞かせました。すごいでしょ?

【和田】それはすごい!

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