居眠り、上司への反抗的な態度でも

次の2例はなぜこれだけのことで解雇なのか、と会社側の対応に疑問符がつきます。

●勤務中の睡眠を理由に派遣元から解雇されたが、居眠りしていた事実はない。あくびしたことに1回指導があっただけ。会社側によると、居眠りについては派遣先、他の派遣労働者、本人にも確認している。改善しようという意思がないので解雇した(派遣男性)
●出退勤をメールで連絡したため、社会人の常識に外れるとして解雇(非正規男性)

極め付きはこれでしょう。

●営業職で入社したが「すぐに売り上げ数字を上げよ」と所長に言われ、「会社の内容も分からないうちにすぐに売り上げを上げられない」と答えたら、翌日所長が「昨日の態度が反抗的だったから当営業所では要らない」と解雇を通告(試雇、男性)

この男性は入ったばかりで、「売り上げ数字を上げよ」という言葉が「君には期待しているよ」という意味なのに、それをくみ取れず、正直な感想を言ってしまったところに不幸があったと言えます。

職場でトラブルを起こしてしまうのも、解雇につながる「態度の悪さ」に含まれます。

●支配人とシフト配置転換の件で口論となり、打刻したタイムカードを支配人に投げつけたところ、支配人はその態度に怒って本人の右胸を突き飛ばし「俺にそんな態度をとる奴は首だ」と解雇通告した(非正規男性)

勢いで「辞める」と言ってしまったがために

失礼ながら、まるでコントのような展開がこれです。

●レストランの店長代理。部下の女性が業務に協力的でなく、手が荒れるので洗い物をしたがらないので強制的にやらせたが、口をきかなくなった。その女性が従業員の昼食時間に食事をしないので「勝手なことをするならば、私はあなたを一緒に仕事ができない」と大声で叱った。
外に出ると、常務(料理長)が「どういうことか」と聞くので、訳を話したところ「人が足りないので彼女は辞めさせることはできない」と。それに対して「私はここでは仕事ができないので、私が辞めなければならない」と発言した。
その日の業務終了後、常務から「彼女を辞めさせることはできないので、あなたが辞めたいのならそうしてほしい」と。専務からは「職場の雰囲気が悪くなるので出てきてもらわなくてもいい」と言われ、売り言葉に買い言葉で「分かりました。お任せします」と言ってしまう。
その後、社長に「本心で言ったわけでない。復職させてほしい」と言ったところ「詫び状と誓約書を提出せよ」と言われたが、突然、会社から自己都合退職とする離職票が送られてきた(正社員男性)