「島ぐらし2.0」実践者はSNSを駆使して自在に稼ぐ、暮らす

【2:「週休4日」「冬休み1カ月」も自分次第】

瀬戸内の観光や農業シーズンは春・夏・秋なので、冬には長期休暇を取ることが可能である。店を閉めて「1カ月アジア滞在」「海外の芸術祭に参加」「東京に里帰り」などでリフレッシュすることも簡単にできる。基本的には過疎地域であり、家賃も「無料~激安」なので固定費が少なく、治安も良好なので、店を長期間閉めても都市部ほど問題はない。

また、カフェ経営も「土曜・日曜・月曜のみオープン(週休4日)」など、自分の体力やヤル気に合わせた無理のないスケジュールが組みやすい。よって「子供が卒業式なので午前中休店」のような個人的都合で休むことが容認される緩やかな空気も、島の魅力でもある。

豊島にいるヤギ(撮影=筒井冨美)
【3:日本政府よりも、頼りになるのはGAFA、SNS、LCC】

国土交通省には離島振興課があり、「租税特例措置」「離島創生プラン」「インバウンド観光」「アイランドツーリズム」などを掲げているが、実際に「島ぐらし2.0」を支えているのは、読者の皆さんにもおなじみのGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に代表される多国籍IT企業のインターネットサービスである。

カフェの集客や採れ過ぎた農産物販売に、SNSは欠かせない。コンビニも本屋もない離島ではアマゾン通販は物流の生命線ということもあり、瀬戸内海でも当日か翌日に届くようなインフラが整っている。派手な広告を打たなくても、面白そうなアートやサービスを提供すれば、旅行者がSNSでシェアしてくれるので、それが次の旅行者への宣伝になる。

旅行者の多くが利用する高松空港は、地方空港としては早い時期から国内外のLCC定期便を受け入れている。ジェットスターならば閑散期には成田―高松往復が1万円未満であり、アジア諸国からも中国・韓国・台湾・香港からの定期便が就航している。

移住までの情報収集にもSNSは欠かせない。SNSですでに移住した先輩住民にコンタクトをとって、国交省のパンフレットなどには載っていない生きた経験談を集めるといった対策もできる。

また、いろんな島の移住民同士がSNSで生活情報の交換を頻繁に行うようで、筆者は、豊島における今回の統一地方選(町議選)情報を、少し離れた男木島(おぎじま・香川県高松市)のカフェ「ダモンテ商会」のマスターから教えてもらった。そういうコミュニティも「島ぐらし2.0」に一役買っているのだろう。