筆者の独断で選ぶ、GWに「島ぐらし2.0」体感スポット

<豊島(てしま):約800人>

1970-2000年頃は、地元香川県では産業廃棄物の不法投棄で名前を知られた島であった。現在では、「ベネッセアートサイト直島」の一部として知られるようになった。「豊島美術館」「横尾美術館」「心臓音のアーカイブ」などの芸術施設もあるが、直島に比べて小規模であり、それゆえに素朴で穏やかな島ぐらしを体感できる。

豊島ウサギニンゲン劇場平井夫妻のパフォーマンスを鑑賞できる劇場。東京やベルリンでの生活を経て、2016年から豊島ウサギニンゲン劇場を拠点に活躍中。ビール片手に干渉できるユルさが嬉しい。2018年には待望のベビーも誕生したので、2019年春はベビーを背負ったままでのパフォーマンスが観られるかもしれない。終了後、ステージに上がって楽器を見せてもらえたり、アーティストに直接質問できたりするのも楽しい。

また、「ウサギハウス」という民泊も2019年春からオープンしている。すぐ裏手の棚田を散歩すれば、遠くに海や豊島美術館を眺めつつ放牧ヤギやら牛を観察することができる。詳しい公演スケジュールや宿泊予約はホームページやSNSを参照。

「食堂101号室」の焼酎と前菜(撮影=筒井冨美)

食堂101号室古民家を改装したカフェ&食堂。島で採れた天然塩・米・野菜・地鶏卵を盛り込んだ季節感あふれるランチプレート、地元の柑橘類を使ったカフェメニューが評判。少人数で切り盛りしているので、あらかじめホームページでスケジュールを確認しておきたい。ディナーは予約制。

Commune発酵Café&Bar+Stay2019年春、「心臓音のアーカイブ」近くにオープンした古民家を改装したカフェバー。地元食材を使って、甘酒や醤油麹など自家製発酵食品を使った料理やデザートが美味しい。店主の手が空けば、発酵への熱い想いを語ってくれるハズ。店の前は猫のお散歩コースにもなっており、海がちょっとだけ見える。民泊も可能。

豊島ゲストハウスmamma前出・土庄町最年少町議となった茂木さんが運営する、元乳児院を改装したゲストハウス。食堂と銭湯も併設されている。「英語対応もがんばっていいます」とのこと。

<男木島(おぎじま):約100人>

JR高松駅に隣接する高松港から定期便が出ている。平地が少なく、石垣や板塀に囲まれた集落を坂道や石段が迷路のように広がっている。坂道の徒歩移動は体力が要るが、家々の隙間から見える海は美しい。

数年前から「猫の島」として全国的に知られるようになり、多くの愛猫家が訪れたが、糞尿害対策などで地域ネコの去勢手術が進み、人口(猫口?)減少で子猫も見かけなくなったので猫好きはややガッカリかもしれない。

オンバファクトリーオンバカフェオンバとは元々は乳母車を意味していたが、島では(主に高齢者用の)手押し車を指している。オンバファクトリーはアーティスト夫婦が男木島に工房を構え、使用者のイメージに合わせた装飾を施したオンバをオーダーメードで受注生産している。このオンバは島内のあちこちで現役活用されており、路地をカラフルに彩っている。工房は公開され隣にはカフェがある。

「オンバファクトリー」制作中の作品(撮影=筒井冨美)

ダモンテ商会世界を旅した後に男木島に縁を感じて移住したダモンテ夫妻がオープンしたパン屋兼カフェ。古民家を改装した二階席から眺める海は絶景。島で捕獲した猪も食べられる。パンやグラノラが気に入ったら、島外からのネット通販も可能。

「ダモンテ商会」2階席から眺めたフェリー(撮影=筒井冨美)