「審判員制度」が統一されたサッカー界
日本の2大スポーツは野球とサッカーだろう。だが、「審判員」の制度はまったく異なる。
サッカーの場合、審判制度はJFA(日本サッカー協会)が管理しており、資格は明確化されている。JFAによれば、審判員数は2018年4月2日現在で27万1662人。1級から4級までのピラミッド構造で、年度ごとの更新制だ。たとえば地域の小学校チーム同士の試合では、通常は4級以上の資格保持者が主審や副審を務める。審判がいなければ正式な試合とは認められない。取得までの流れは、「4級資格は講習会を受講すれば取得できる。後は試合をこなしながら技術を学び上達する。意欲のある人は3級以上を目指す」(審判員保持者)となっている。
野球界は「審判員」が統一されていない
一方、国内のプロ野球の場合、審判員の頂点は「NPB(日本野球機構)審判員」だが、そこに至るまでのルートは近年まで未整備だった。NPB審判への条件として「NPBアンパイア・スクール」が設立されたのは2013年。それまで審判員は、都道府県や市町村の野球協会に所属し、その審判ぶりに応じて大きな試合を任されるようになり、ステップアップするのが一般的だった。
アマチュア野球の審判員は、「都市対抗野球」や「社会人日本選手権」を主催する日本野球連盟(JABA/旧呼称は日本社会人野球協会)など伝統団体が、自団体内で審判員資格を定めるが、全国一律とはいえない。硬式野球以外の準硬式野球や軟式野球も団体が異なり、それぞれの資格制度をもつ。
つまりアマチュア野球審判員の世界は、資格が統一されておらず、各団体が比較的自由に活動している。その前提を理解した上で、本稿を読み進めてほしい。