5年後、新興国に向かう100兆ドル資金

西欧発「資本主義」の変遷
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こうした資本主義と近代化社会の歴史を捉えるために、『近代世界システム』『民主主義の終わり』『想像の共同体』『地中海』『ローマ劫掠』の5冊を挙げた。近代以前については『ヨーロッパ中世の社会史』がいい。これらを読むと、75年以降の世界が、過去400年間と同じレール上を走ってはいないことがわかる。ここには入れられなかったが、ギボンの『ローマ帝国衰亡史』(新訳、PHP研究所)は未来観測にますます重要性を増す。グローバル化とは“ローマ化”でもあるからだ。

さて、膨張主義の次にきたのが「経済のグローバル化」。その根底にも新自由主義・マネタリズムがあった。

74年から2007年までは、グローバル化のいわば前半戦。先進国の投資資金が新自由主義、マネタリズムを根拠に新たな投資先を見出し、95年以降は金融資本市場が過熱した。『新自由主義』『追跡・アメリカの思想家たち』『「アメリカニズム」の終焉』『近代性の構造』『同時代も歴史である』からは、なぜアメリカがグローバル化をリードしてきたかがわかる。

サブプライム問題が顕在化した07年、グローバル化の前半戦は終了した。現在はいわばハーフタイム。昨年9月に実体経済への影響がようやく出てきたばかりだから、先進国の混乱はまだ続く。新興国もその影響を受け、しばらく停滞が続くだろう。