一斉退社で社内の飲み会が増えました
会社で一斉退社の時間が設定されました。そのため上司や先輩と一緒の時間に会社を出ることが増え、その流れで飲み会に誘われることが増えました。本当はあまり行きたくないのですが……。
【回答】
嫌な飲み会はどんどん断ればいいんです。断ると出世に響くような会社なら辞めて、転職するほうがマシです。そんな会社はいるだけ無駄でしょう。現在は団塊世代が毎年200万人退場するのに、新社会人は90万人しかいません。相当な労働力不足が起きているので、辞めてもすぐに次の仕事が見つかりますよ。
頻繁に飲み会に誘う上司や先輩にも問題があります。就業時間後のコミュニケーションは残業そのもの。根本的に考え方が間違っています。僕の場合、仕事で部下と一緒に移動するときやランチの機会にコミュニケーションを取っていました。あとは「困ったら相談に乗るよ」と言えば十分。わざわざ飲みニケーションを設ける必要はありません。
このグローバル化の時代、会社にはさまざまな文化や習慣、思想を持った人たちがいます。たとえば部下がイスラム教徒だったらどうしますか。もちろん部下をよく観察して、飲みたがっているとわかれば連れていくのはかまいません。けれど部下のなかにお酒が飲めない人がいる、あるいは上司と飲みに行くのが嫌な人もいるというごく当たり前の想像力を欠いた人は即刻、管理職を辞めたほうがいいと思います。
トラブル対応で毎週土曜日に出勤
システムを導入したクライアントからの対応に追われています。チームメンバーには残業上限以上に仕事を頼めないため、結局自分でやって平日は終電かタクシー帰宅。土曜日も毎週出勤しています。
【回答】
クライアントの要求は100%のまなければいけないと勘違いしているのではありませんか。仕事のできる人で、クライアントの言うことを1から10まで聞いている人はいません。できないことはできないとハッキリと言えばいいのです。これはボーイフレンド、ガールフレンドの関係とまったく一緒。相手の要求を100%聞けばいい関係がつくれるわけではありません。当面はいいかもしれませんが、そのうち人間関係が壊れてしまいます。嫌なことは嫌と明言してはじめていい信頼関係が築けるのです。
チームメンバーに仕事を頼まず、自分で対応しているという仕事のやり方も管理職失格です。それではプロジェクトの先行きを考える時間も、部下を育成する時間もなくなってしまいます。先ほどお話しした「無・減・代」の手法でいまチームで抱えている100の仕事を今後も継続しなければいけないのかを洗い直すことをお勧めします。100の仕事が90、80に減れば、その分余裕が生まれます。
部下に仕事を振れないから自分が仕事を引き受けるのは、無・減・代ができないと自ら白状しているようなもの。管理職としては問題です。いまからやり方を変えてください。
※相談者の名前は仮名です。
立命館アジア太平洋大学(APU)学長
1948年、三重県生まれ。京都大学を卒業後、72年、日本生命へ入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2008年に退職。同年、ネットライフ企画(現ライフネット生命)を設立。社長、会長を務め、17年に退任。18年より現職。