2万人が参加する「勝田全国マラソン」
3月3日、市民ランナーも参加する国内最大の大会「東京マラソン2019」が開催予定だ。毎年応募者は多く、今回は「マラソン」一般募集枠に約33万人が申し込んだという。同枠の定員は「2万7370人」で、12人に1人のランナーしか走れない計算になる。
東京マラソンに申し込みながら、抽選で外れたランナーはどうするか? もちろん人それぞれだが、別の大会に出場する人もいる。そうした人たちの間で人気なのが、今年は1月27日に開催された「勝田全国マラソン」(茨城県ひたちなか市)だ。
東京マラソンの“滑り止め”扱いするのは失礼だろう。1953年から開催されており、今年で67回を迎えた伝統ある大会だ。参加者数も多く、近年は2万人超のランナーが走る。これは前述の「東京マラソン」「大阪マラソン」「横浜マラソン」「NAHAマラソン」(沖縄県那覇市)などに次ぐ。歴史と参加人数で国内屈指の市民マラソン大会なのだ。
上位の大会は、大都市や名高い観光地だ。そうではない地方都市の「勝田」に、なぜここまでランナーは集まるのか? 現地取材で魅力を探った。
あまり細かく言わない「安定した運営」
勝田全国マラソンには「フルマラソン」と「10キロ」コースがある。遠方からの参加者やその家族の中には、ひたちなか市や隣接する水戸市に現地宿泊する人も多い。
「勝田は最高ですよ。毎年、この大会だけに参加しています」
大会翌日、水戸市のホテルで会った40代男性(栃木県から参加)はこう語った。「フルマラソンに参加し、翌日は仕事を休んでゆっくり帰宅」が恒例だと言う。何が最高なのか。
「沿道ブースの飲食提供も多く、楽しいことですね。大会を通じて知り合った人と、一緒に事前練習もします。タイムは誇れませんが、完走すれば達成感があります」(同)
神奈川県の40代男性は、体型も陸上競技者タイプ。「安定した運営」を評価した。
「さまざまな大会に参加しますが、中には『あれはダメ、これはダメ』という縛りが多い大会もあります。安全に実施するため必要なのは理解していますが、正直『細かいな』と感じる時も。その点、勝田はランナーの自主性に任せてくれる一面があります」