優秀なビジネスパーソンは「話し上手」といわれる。だが実際には「トーク力には自信がない」と答える人が多い。なぜイメージと矛盾するのか。7人のプロに話を聞いた。第4回は外資系金融の「信用される力」――。(全7回)

※本稿は、「プレジデント」(2018年12月17日号)の掲載記事を再編集したものです。

同期の一言で、平均的社員から脱皮

新潟を拠点に、経営者やドクターといった得意先から厚い信頼を寄せられる諏佐渉さん。プルデンシャル生命保険において営業の最高位であるエグゼクティブ・ライフプランナーでありながら、昔からのコンプレックスがあった――。

「人と話さずにすむ仕事をしたかった……」。大学時代のアルバイトは、皿洗いに中古車の洗車。それだけ人と会話をするのが子供のころから苦手でした。大学卒業後も、営業職だけは嫌だったので、地元のゼネコンに就職して経理をしていました。20代中盤で転職した地元の高級外車ディーラーでも経理を希望しましたが、人手が足りなかったせいか、配属されたのが営業職。知らない人に挨拶したり会話したりすることがストレスで、一気に5キロ痩せました。

プルデンシャル生命保険 エグゼクティブ・ライフプランナー 諏佐 渉氏

初めて1台売れたのが、入社して2カ月目のことです。それから売れるようになって、店のトップになりました。相変わらず人見知りで、車についてもそれほど詳しくない。そんな私がひとつだけ守っていたルールが、「お客様に嘘をつかない」ということでした。もし知らないことがあれば、「知らないので、教えてください」と正直に聞く。営業としては未熟ですが、後輩のようなスタンスで可愛がってもらえたんですね。

入社してから1年半後、プルデンシャル生命に声をかけられて、転職しました。ところが入社後の5年間は平均的な業績から抜け出せなかった。それが変わったのは、同期入社のトップセールスからかけられた一言です。「格好つけるな。1円にもならないプライドなんか捨てろ」。確かに当時は、「外資系企業にヘッドハンティングされた自分」というイメージにとらわれて、お客様に何かお願いしたくても、頭を下げられないところがありました。嘘をつかないのが信条だったのに、自分を大きく見せようとしていたんでしょうね。それからは見栄を張らず、お客様の人生に寄り添う気持ちで仕事ができるようになった。すると次第に「この人はいいよ」という紹介が増えて、業績が上向いていったんです。