確かな住まいを望む人には
組合に参加することが大きな意味を持つ
管理費についても確認しておきたい。管理費は管理会社に払う委託費だけでなく、いろいろな費用の総計であり、いわば住みよさを確保するためのコストだから、単純に安いほどいいというものではない。
管理会社に払うコスト(委託業務費)にも同じことがいえる。この費用は管理会社に頼む仕事の内容で決まるため、組合が委託する仕事の範囲が多ければそのコストも高くなる。具体的には、委託先管理会社の管理スタッフの勤務形態などがかなり関係してくる。「常駐」「日勤」「巡回」などのパターンがあるが、マンションに勤務する時間が長ければコストも高くなるのだ。
コストを安く抑えようとして管理会社を替えるケースもあるが、管理会社の変更は慎重に考えているほうがいい。管理組合との信頼関係がしっかりしていれば、管理会社の変更はないはずだということも頭に入れておきたい。
ところで、分譲マンションなのに賃貸されている住戸が何割かあるマンションは珍しくない。こういう場合はマンションの実情に応じて、管理組合に独自の工夫が必要になる。同じような工夫は、超高層マンションのような大規模マンションでも必要になるだろう。
住む人の世代や家族構成、経済力などが多様化しているからだ。
管理組合が住みよさを担うこと自体はどのマンションにも共通する。だが、実際は「どんなマンションにどんな人が住むか」で異なってくる。住みよさは、住む人の生活感覚とその暮らしが営まれる場所の組み合わせで決まるからだ。管理組合は、そんな独自の住み心地を居住者みんなで探し求める場にもなる。入居後、組合に参加することは、確かな住まいを望む人に大きな意味を持つといえるだろう。
(構成=上島寿子)