2000円台のケーキを増やしたファミマ

実は「ケーキのバリエーションを豊かにした」という戦略は、ファミマもローソンも変わりない。だが、ラインアップからはそれぞれ個性がみえる。

「主力商品をリニューアルして強化しつつ、2000円台のケーキを増やしました」

というのは、ファミマのスイーツ開発担当の三木春香さん。世帯人数の減少や、クリスマスの楽しみ方自体が多様化してきたことから、セブン同様「小さめケーキ」や「アソートケーキ」が売れることはリサーチ済みだ。

そのうえで「お求めやすい価格」にもこだわったという。理由は、ファミマが「ファミリー(仲間)みんなで、わちゃわちゃ楽しむクリスマス=ファミクリ」を今年のクリスマスのテーマにしているからだ。

有名パティシエとのコラボケーキも人気

身近な店のコンビニに、格式ばった雰囲気を求める消費者は少ない。それはクリスマスも同様だ。コンビニの武器は、おいしさに加えて、カジュアルさや驚き。そのうえコスパが良ければ、いうことはない。

看板ケーキの「ミルフィーユ・シャンティ」(画像提供=ファミリーマート)

好調なのは、昨年同様、看板商品の「ミルフィーユ・シャンティ」(4~6人向け・3200円)だという。

「イチゴショートケーキが定番という市場の中で珍しいミルフィーユです。シュガーコーティングしたさくさくとしたパイ生地が自慢。リピートされる方が多いんです」(三木さん)

ほかに、ケンズカフェ東京監修の「ショコラケーキ」(2800円)や上林春松本店監修の「抹茶のクリスマスケーキ」(2500円)といった、有名パティシエとコラボした「本格派」を選ぶ人も多い。百貨店や専門店なら5000円オーバーが当たり前というようなゴージャスなケーキが2000円台なのだから、経済観念にたけた女子会などでウケているのだろう。また子どものいるファミリーには、どでかいプリンが載った「プリン・ド・ガトー」(2300円)など、ユニークなケーキも人気だったという。