[割烹] 京味

――茂木健一郎の料理に対する観念を一変させた店

「僕の料理に対する観念が一変した店。決して奇をてらうわけではない、ごくまっとうな味に、料理人、西健一郎の執念のようなものを感じます」

●東京都港区新橋3-3-5 TEL.03-3591-3344 営業時間/12:00~14:30、17:30~22:00 日曜・祝日休 予算は昼3万円~ 要予約座席カウンター9席、椅子席4席、座敷6~8席、カード不可

店主の西健一郎氏は「もう一度食べたいとお客様が思ってくださるかどうか。それだけ考えて日々厨房に立っています」という。高価な食材だけでなく、茄子のヘタのような普通なら捨ててしまう素材ですら最高の味へと導く。

1.「鮎並の山椒焼き」。
 2.「タケノコの直焚き、鯛の子とフキ」。サクサクとしたタケノコは、ゆがかずに直接炊いて。
 3.「松露のしんじょう、フキノトウ」。マシュマロのように小さくて柔らかな触感の松露(キノコの一種)は、砂地にある松林などで採れる。数も少なく足も速いので、なかなかお店で味わうことはできない。通常5~6月の旬の食材。
 4.「鯛のお寿司・イイダコ・そら豆のウニ焼き」。

[バー] EST!

――学生時代、思いきり背伸びをして訪れた老舗

「間違いなく、東京にあるバーの中での最高峰。学生のころ、思いきり背伸びをしてドアを押して以来、節目ごとに訪れては自分の人生を振り返る、定点観測のような場所です」

●東京都文京区湯島3-45-3 TEL.03-3831-0403 営業時間/平日:18:00~24:00 日曜・祝日:18:00~23:00 年中無休(年末年始とお盆のみ休業) カウンター9席、テーブル席4席

「茂木さんはあれだけ私にマスコミの取材に出るな出るなと言っていたのに、自分が紹介するなんて……」と、マスターの渡辺昭男氏。中央には、決して開けられることのないビンテージのボトルが佇んでいる。

1.ジントニック1200円。
 2・3.アメリカの禁酒法時代(1916年)に造られた歴史的にも貴重なバーボン。酒のラベルの裏には、当局の追及を逃れるため、“Medical Purpose Only(医療目的のみ)”の文字が。

 

 

 

(撮影=奥谷 仁)