資産運用をしていると、株価の動きが気になる。10年前の「リーマン・ショック」のような金融危機が起きれば、資産は大きく目減りする。売却して、それ以上の損失を防ぎたくなるが、それは間違いだ。元財務官僚の柴山和久氏は「人間の脳は損することを極端に嫌う。だが慌てると、むしろ損失を広げてしまう。資産運用では直感はあてにならない」という。どういうことなのか――。

※本稿は、柴山和久『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いたこれからの投資の思考法』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

脳は「損すること」が大嫌い

資産運用をするとき、なぜ直感があてにならないのでしょうか。それは、たとえ一時的にでも、人間の脳が「損をすること」を極端に嫌うからです。