アウトプット:すぐに対応してもらう工夫をする

メールは送ったらおしまいではなく、自分が依頼したことに相手がきちんと対応したところで、完了となります。自分から何かを依頼するメールは、相手に早く動いてもらったり、返信を早くもらえたりする工夫をすることが重要です。

例えばスケジュール調整のメールであれば、「ご都合よい日程をお知らせください」よりも、いくつか選択肢を提示して「以下の3つの日程でご都合がつく日をお知らせください。3つともNGであれば候補日程をお願いします」の方が早く対応してもらいやすいでしょう。

特に多忙な人が相手の場合には、相手は膨大な量のメールを受け取るため、なかなか回答がもらえず仕事が進みにくくなることがあります。こちらから候補を出すのは気がひける……と思うかもしれませんが、選択肢やYes/Noで回答できるメールは相手が返信をする負担を減らすことができるのです。「忙しい相手が一言で返信できるかどうか」という基準でメールを書いてみましょう。

アウトプット:クッション言葉で「不快」を防止

また、メールは便利なツールですがリスクもあります。「ビジネスメール実態調査2018」(一般社団法人日本ビジネスメール協会)によると、過去一年間に仕事でメールを受け取り、不快に感じたことが「よくある」(3.12%)と「たまにある」(37.23%)と回答した人の合計が40.35%で、4割を超える人が不快に感じたことがあるそうです。

不快に思った人でそれを指摘したことがある人は2割程度。自分が相手を不快にさせていたとしても、指摘されずに気づいていないこともありえます。手短に要件を……と伝えたつもりが、失礼だと捉えられているかもしれません。そんなときには言葉の衝撃を和らげるクッション言葉を入れるといいでしょう。クッション言葉には以下のようなものがあります。

依頼する場合
「恐れ入りますが」「申し訳ございませんが」「誠に勝手なお願いですが」「お手数をおかけしますが」「こちらの都合で恐縮ですが」「ご多忙とは重々承知しておりますが」「お使い立てして申し訳ございませんが」「ご都合が許せば」

質問・確認する場合
「失礼ですが」「差し支えなければ」「ぶしつけなことをおうかがいしますが」
「間違いがあってはいけないので確認させてください」「既にご存じかもしれませんが」

督促する場合
「こちらの手違いかもしれませんが」「既に着手いただいているかもしれませんが」
「再三のご連絡、ご容赦くださいませ」「ご無理を申し上げていることは重々承知しておりますが」

断る・異論を唱える場合
「申し訳ございませんが」「残念ですが」「僭越ながら」「あいにくではございますが」「申し上げにくいのですが」「心苦しいのですが」「せっかくのお話ですが」「ご配慮いただき恐縮ですが」「身に余るお言葉ですが」「ご期待に添えず申し訳ございませんが」「お役に立てず申し訳ありませんが」

クッション言葉も辞書登録しておけば、入力も簡単です。相手に確実に受け入れてもらうための工夫として、メールで取り入れてみてください。

清水久三子(しみず・くみこ)
株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長
お茶の水女子大学卒業。大手アパレル企業を経て、98年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。新規事業戦略立案、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー、IBM研修部門リーダーを経て、2013年独立。『プロの学び方』『プロの課題設定力』『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一流の学び方』『外資系コンサル流・「残業だらけ職場」の劇的改善術』など著書多数。http://andcreate-official.com/
(写真=iStock.com)
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