基本は、資料に対しての質疑応答形式で行います。「1ページ目で質問ある人はいますか?」という投げかけに対して、

「2行目の文章は、どういう意味ですか?」
「5行目に関してはどんなふうに考えているの?」

といった質問を受け、資料の作成者(ほとんどの場合は会議の進行役)が説明をしていきます。最終ページまで質疑応答を続け、質問がなくなった時点で会議は終了となります。

誰も話さず終了する会議が「ベスト」な理由

余談ですが、アマゾンにおける理想の会議は「ほぼ無言で終わる会議」です。「えっ、無言で終わる会議? 意見も出ず、議論もしない会議の何が良いの?」と思う方もいるかもしれません。アマゾンでは、会議がほぼ無言で終わるのは、「絶賛の証」です。つまり、「文句のつけようがないほど完璧な資料だった」ということなのです。

「1枚目、質問はありますか?」
「何もなし」
「2枚目、質問はありますか?」
「なし」

と続いて、最後まで参加者から「なし」のまま終わる。会議がこのように進むと、参加者から「ウェルダン!(お見事!)」と言われ、全員の拍手で賞賛されます。私も何度かこのような場に立ち会ったことがありますが、理想的な会議の姿だと感じます。

佐藤将之(さとう・まさゆき)
企業成長支援アドバイザー
セガ・エンタープライゼスを経て、アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして2000年7月に入社。オペレーション部門のディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの発展に寄与する。2016年退社。現在は、経営コンサルタントとして企業の成長支援を中心に活動中。
(写真=iStock.com)
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