ベゾス自らが厳命した「箇条書き禁止」
箇条書き禁止令が出たのは、2006年くらいのことだったと思います。会議で使った箇条書きの資料をジェフ・ベゾスが読み返したとき、「こんな資料じゃ何を言いたいのか、よくわからないじゃないか!」と激怒してしまったのです。
彼は社内会議などで1週間に何十もの報告を受ける身ですから、詳細を覚えているわけではありません。「アニメーションづくりなんかに時間をかけるな! すべて文章形式で書くように! その資料を読んだだけで内容がわかるようにすること!」となったわけです。
結果、アマゾンでのさまざまな資料は、文章形式で書いています。グラフなどをカラフルで見やすくする必要もありません。むしろ、事実を漏れなくわかりやすくまとめることが重視されています。そして、文書の枚数も会議の目的に応じて、「1枚」(「1ページャー」)か「6枚」(「6ページャーズ」)でまとめるのが基本となっています。
簡単な企画書や報告書などは、基本的にA4サイズ1ページでまとめます。トラブル発生に関する報告書の場合、「何が起きたのか?/どういう背景で起きたのか?/どのような対策をとるか?(暫定対策と恒久対策)」などをまとめます。事実を具体的に書くことが重要です。グラフや表を付記したい場合は別添し、枚数にカウントしません。
なお、文章の合間にグラフなどの図を入れ込むことは、「文章が読みにくくなる」という理由で禁止となっています。
年次予算、事業計画書、新事業の企画書、大がかりなプロジェクトの提案書などは、A4サイズ6ページでまとめます。プロジェクトの提案書の場合、「プロジェクトの概要/財源/目標とする指標」などを簡潔にまとめます。6ページャーズの場合も、1ページャーと同様にグラフや表などは別添とし、枚数にカウントしません。
会議の冒頭で資料を読み込む
アマゾンの会議冒頭は“沈黙”が続きます。それは、用意された資料を参加者が読みこむ時間だからです。沈黙は、1ページなら5分ほど、6ページなら15分ほどです。全員が読み終わったのを確認して、話し合いが始まります。