未曾有の危機には、「思いもつかない」ような対応策が必要だ。今からおよそ100年前、日本が直面した昭和金融恐慌。危機を乗り越えた松下幸之助氏の対応に、その手がかりを見出す。
100年に一度といわれる危機が起こっている。ますます深刻になる様相もある。このような大きな危機に対応するためには何をすべきなのだろうか。その対応策は、通常の不況への対応の仕方とは異なるはずである。言い換えれば、われわれに馴染みのある対応策ではなく、われわれが思いもつかないような対応策を取らなければならないと考えたほうがよい。その対応策を考えだす手がかりは、100年前の危機にうまく対応した企業、それをてこに発展した企業の対応策の研究である。ほぼ100年前に起こった大きな不況は、1929(昭和4)年10月ニューヨークの株価暴落をきっかけとした世界恐慌である。日本では昭和金融恐慌と呼ばれることもある。そのときの経験を詳しく書き残しているのは、松下幸之助氏である。
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