その教室では、楷書ではなく続け字(行書)を基本とする。ひらがなも漢字も少しくずしたほうが速く書けて、しかも大人っぽく見えるのだ。たとえば「三」や「川」のように線が3本続くときは、2本目と3本目だけを続けて書く。そんな行書っぽい書き方のコツを身につければ、ある程度のごまかしは利きそうである。

とりあえず名前や住所が続け字でサラサラっと書ければ、いろんな場面で役立つことは間違いない。せめて正式な場所ではそれらしい字が書け、TPOに応じた引き出しを持てば何かと便利だろう。

▼「汚い字」は練習で進化したか

【before】
チャレンジする前の何も考えずにありのままに書いた文字。配置が悪く、下が詰まってバランスがとれていない。行や字の中心が歪みバラバラになっている。

【after】
1年半後、ゆっくり丁寧に、上下の余白や行の中心線を意識して字間や行間のバランスをとって書いた。行書もまじえ、“いい感じ”の大人っぽい字になった。

新保信長(しんぼ・のぶなが)
編集者兼ライター
1964年、大阪生まれ。東京大学文学部心理学科卒。出版社勤務を経て「流しの編集者兼ライター」に。漫画解説者・南信長名でも新聞等で活躍。著書に『字が汚い!』『笑う入試問題』『東大生はなぜ「一応、東大です」と言うのか?』等。編書に西原理恵子『できるかな』シリーズ等がある。
(構成=吉田茂人 撮影=小川 聡 写真=iStock.com)
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