妻が稼ぐ姿を見せれば、頑固な夫の考えも変わる
そんな西川家の明るい兆しは、妻が仕事をはじめたこと。午堂氏は「裁縫が得意なら、友人の手伝いだけではもったいない。ゆくゆくは自分の事業をはじめるといい」とアドバイス。「いまは『minne(ミンネ)』など、ハンドメード作品専用のオンラインマーケットもあり、たとえ小規模でも事業化のハードルはグンと下がっている。試しに販売用の商品を作ってはどうか」と提案する。実際、午堂氏の知人で、自分でデザイン・縫製した親子服をミンネで販売し、いまでは月商50万円ほど稼いでいる人もいるという。「趣味を突き詰めれば、立派なビジネスになる時代。奥さんが稼ぐ姿を見せれば、頑固な夫の考えも変わるかもしれない」(午堂氏)。
妻の仕事を歓迎するのは加谷氏も同様だ。「起業に生かしたいという夫のノウハウを、まず奥さんの事業化で試すのも一案。自分のスキルが会社外で役立つかどうかの試金石にもなり、一石二鳥です」。
収入の不足分を補うために、稼いでなかった人が稼げるようにする自己投資が最優先事項だと加谷氏は力説。「最大の収入増、かつリスクヘッジの手段は共働き。夫の年収を一気に300万円アップは難しくても、奥さんが300万円稼げるようになれば、世帯収入は同じ。そのほうが可能性は高い」。
教育費など、どうしても削れない支出がある家庭は、夫の副業や専業主婦の起業で不足分を補えば、老後資金を取り崩さずに済みそうだ。
加谷珪一
経済評論家
日経BP社、野村証券系投資ファンド運用会社を経て独立。億単位のお金を動かす個人投資家としても知られる。
午堂登紀雄
投資コンサルタント
米国公認会計士、不動産コンサルタント、個人投資家、ビジネス書作家。33歳で資産3億をつくる。
横山光昭
家計再生コンサルタント
マイエフピー代表。ファイナンシャルプランナー。代表著作は55万部を超えるベストセラーに。
経済評論家
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(撮影=大沢尚芳、小原孝博 写真=iStock.com)