すべての聴衆に当事者意識を植え付ける方法

実際にセミナーや講演をする場合、あらゆる層のお客様が来るパターンが多いと思います。経営者も来るし、会社員も来る、学生でもちょっとお金を持っている人がいる、といったように。そんな会場では、どんな話し方をするのが適切なのでしょうか。

小山竜央『パブリック・スピーキング 最強の教科書』(KADOKAWA)

自分はそこにいる全員を感動させたい、全員に良いスピーキングをして巻き込みたいというのであれば、シンプルで簡単な方法があります。常に、そこにいる、いちばん低いレベルの層に合わせて話をする、というものです。

さらに上級のテクニックとしては、さまざまな人たちが引っかかるようないくつかの言葉を、手探りで順番に試していく、という技術もあります。最初は学生向けの言葉で、次の瞬間には会社員に向けて、その次には経営者に向けて、といった調子で、次々と言葉を換えて話すのです。

こうしてあらゆるカテゴリーの方々に当事者意識を植え付けていくのです。具体的に実践しやすい方法としては次のようなものがあります。

「今からちょっと、この会場に来ている女性の方たちに向けて話したいのですが……」と言うと、女性側が反応します。その次には「今度は男性の人たちに……」と、逆の対象に向けて話をします。

正反対のターゲットを決めて話す

これは、「今から○○の人に話をします」と言うだけの簡単なやり方です。このテクニックを使うと、「○○の人」に相当する人が必ず反応します。そのため、「最近、ちょっと髪の毛が心配だと思っている人に、話があるんですが」と言ってから、「髪には自信があるという人には……」「髪のことなんて気にしていない人は……」と話をしていくと、自然と全員が当てはまっているということになるわけです。

ただ、いちばん相手の記憶に残る話し方としては、正反対の人に話しかける、というのがいいでしょう。「女性」の次に「男性」、「お金を持っている人」の次に「では、今から、お金がない人に」と振る。こうして正反対のターゲットを決めて話をしていくと、シンプルに会場全体を巻き込んだスピーキングが成立します。

あなたも会社の会議やプレゼン、セミナーなど人前で話す機会があるときには、このテクニックは、ぜひ試してみください。これまで以上にグッと距離が縮まったコミュニケーションが可能となるはずです。

小山 竜央(こやま・たつお)
株式会社ライブクリエイト代表取締役
1982年、香川県生まれ。2005年、大手広告代理店に入社しSNS開発、ゲーム開発、マーケティングに携わる。その後、独立し、過去に培った知識を元に「ゲーム理論マーケティング」を取り入れた法人へのビジネス指導と、講演会を全国で開催。著書に『5分の使い方で人生は変わる』『スマホの5分で人生は変わる 』(ともにKADOKAWA)、『なぜか、自動的に幸せになれる72の習慣』(サンマーク出版)、『ストーリー思考で奇跡が起きる』『神速スモール起業』(ともに大和書房)など多数。
(写真=iStock.com)
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