「自分以外」の実績を示す

それでは、パブリック・スピーキングのノウハウの1つとして、短時間で全員を巻き込む話し方を教えましょう。

前提として、セミナーやイベントの会場に来たお客様全員があなたに興味を持って話を聞いてくれるような、完全無欠の自己紹介はありえません。同じ客層であっても、常にお客様には2種類の人種、2つのパターンが存在すると思ってください。

例えば、男と女、お金がある人とない人、実績をありがたがるタイプと実績だけでは動かないタイプなどです。このように2つのパターンを前に話すわけですから、実際の自己紹介では、しっかりと手順を踏んで、自分の話に興味を持ってもらえるような構成を考えましょう。

まず、最初は「私にはこんな実績がある」という、自分自身の実績を示す紹介です。これだけで「すごい」と興味を持ってくれる人もいますが、「自分には関係ない」「この人ができただけで自分には無理だろう」と他人事のように感じる人もいます。

そこで、次に、自分が関わった人たちやこれまでのお客様が、実際にどんな成果を出したかを語ります。自分以外の実績を示すことで、同じようなことが皆さんにも起こりえる、という共感のイメージがもたらせるのです。

理論だけでは動かない人がいる

ここまでで大部分の人は、あなたがこれから話すノウハウにはきちんと裏付けがあって、いかに効果があるのかを理解し、興味を持ってきたはずです。それでも、これだけではまだ、会場にいる全員を巻き込むには不十分です。

次の段階で必要なのはストーリーです。なぜなら、人には理論で動く人と、理論だけでは動かない人がいるからです。

特に女性は、感情に訴えられないと、ただ実績を示されても響かないタイプが多いものです。逆に男性は、ストーリーだけでは納得せず、実績を求める傾向にあります。また、1人の人間でも、理論の部分とストーリーでは、それぞれ左脳(理論)と右脳(ストーリー)というように、働きかける部分が異なります。

だからこそ、理論的な実績の話のあとに、人の心を動かすストーリーを語るべきなのです。これによって2つの人種、2つのパターンの人、右脳と左脳のどちらにもあなたの話が響き、短い時間で全員を巻き込むことができます。