マカはあらゆる野菜のなかで最強ともいえる存在

テストステロン値を高めるキーワードの二つ目は「マカ」です。マカは精力を高めるなど体にいいと注目されています。このマカをはじめ「元気が出る野菜」と呼ばれているものには、テストステロンを直接アップさせるというよりは、結果的にテストステロンアップにつながる可能性が高いものが少なくありません。

南米原産の元気がでる食品としてますます注目されているマカは、抗酸化作用において最強クラスと言えます。体のサビ取りをしてくれるわけですね。これは体を若々しく保つために、とても大切な効能です。その点では、同じアブラナ科野菜のブロッコリーもいい。多くのアブラナ科野菜は、たとえば前立腺にいいとか、ガンを予防するとか、テストステロン値を上げるとか、人間にとってさまざまないい作用があると言われているんです。

その中でもマカは栄養価が抜群に高い。ただ、まだその全ての効能が解明されているわけではありません。どんな形でテストステロンに好影響を与えるのかがより科学的に解明されてくれば、マカの評価はより一層上がることになるでしょう。

日本でも、ようやく生のマカを口にするがでてきてきました。すりおろすと強烈な香りが漂い、ピリッとした辛みは牛肉や青魚などと合わせて食べるとピッタリです。それが体内に入ると、エネルギーがみなぎる感じがします。

マカは、テストステロンにいい影響を与える食べ物として、最も注目していきたい野菜であることは間違いありません。

「抹茶」と「チョコレート」が“やる気”を引き起こす

マカ以外なら、ナガイモや自然薯(じねんじょ)などのヤマノイモは、漢方では「山薬」と呼ばれていて、これもテストステロン値を上昇させるのにいい役割を果たすことがわかっています。ネバネバした野菜の多くは、なんらかの形でいい影響があると考えて間違いありません。

堀江重郎監修『元氣食堂 肉とマカとテストステロン』(プレジデント社)

元気がでる野菜の代表格ともいえるニンニクは、単体で食べてもテストステロン値が即上がるというものではありません。しかし、マカの食べ方と同じように、肉や青魚と一緒に食べると効果が高まるのです。ニンニクをたっぷり使ったカツオのタタキなどは、まさにテストステロン値を上げる食べ方です。アリシンなどの含硫化合物(硫黄化合物)がそうした役割を果たします。ネギやタマネギ、ニラなどの香味野菜も同様の効果が期待できます。

ほかに、ウリ科植物に含まれているシトルリンは、テストステロンの作用を補助してくれます。とくにスイカの皮に近い白いところがすごくいい。カブトムシの餌にしている場合ではなくて、人間こそ食べなきゃもったいない(笑)。

テストステロンと相関関係があると考えられる、ドーパミンを上げる食べ物も注目したいところ。「抹茶」なら薄茶ではなく濃茶を、「チョコレート」ならカカオの含有量が多いものをおすすめします。

やる気に満ちた元気な人生を送るために、また、健康長寿を得るために、ぜひテストステロン値を高める生活を送ってください。

堀江重郎(ほりえ・しげお)
順天堂大学大学院 教授
1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得し、国立がんセンター中央病院などを経て、42歳で帝京大学医学部主任教授に就任。日本初の男性外来であるメンズヘルス外来を開設。2012年より現職。日本メンズヘルス医学会理事長、日本抗加齢医学会理事長。著書に『ホルモン力が人生を変える』(小学館101新書)、『ヤル気がでる!最強の男性医療』(文春新書)などがある。
(写真=iStock.com)
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