「毀誉褒貶(きよほうへん)」――江戸幕府最後の将軍徳川慶喜(よしのぶ)にいちばん似合う四文字熟語だ。

「大政奉還」後の鳥羽・伏見の戦いで部下たちを見捨てて、さっさと江戸に逃げ帰ったことで慶喜の評判は地に落ちた。――「毀貶」の部分だ。

だが、初代家康、3代家光、8代吉宗に劣らぬほど英邁(えいまい)な人物だったことは、14代将軍位を慶福(よしとみ)(のち家茂(いえもち))と争っていたころから認められていたし、維新後になって、「大政奉還」は日本の将来のための英断だったとされる。――「誉褒」の部分だ。