79歳の二階幹事長は「最近、会話が通じにくい」
具体的な人事予測を紹介していこう。焦点は党運営の要役・幹事長人事。二階俊博幹事長はいち早く安倍氏3選支持を訴えた。3選を果たせばMVP級の論功だ。
ただ二階氏も79歳。「最近、会話が通じにくい」「会議で居眠りしている」などのささやきも漏れる。幹事長の激務に耐え続けられるかどうか。来年、統一地方選、参院選も控えている。仕事はさほど忙しくないが名誉は残す形で副総裁に横滑りするのではないか。
副総裁は「お飾り」の印象があるが、実力者がつけば権勢をふるうことができる。二階氏の師匠でもある金丸信氏は77歳で副総裁に就任、「ドン」であり続けた。副総裁を打診されれば二階氏も受けるだろう。
後任幹事長は誰か。岸田氏は「出たら処遇できない」と言われて総裁選出馬をやめたのだから、当然自分が幹事長候補と期待しているのだろう。しかし、そう簡単にはいかない。永田町では竹下亘総務会長の就任説が根強い。額賀派から衣替えした竹下派は幹事長へのこだわりが強い。田中派の流れをくむこの派閥は、幹事長を独占して「キングメーカー」であり続けた。幹事長ポストを取ることが名門派閥復活の一里塚となる。
もし亘氏が幹事長になれば、兄で元首相の登氏に続き、兄弟で幹事長ということになる。党史上初の「快挙」だ。ただ、ここへきて竹下派が石破氏支援に傾いてきている。その場合は「竹下亘幹事長」は難しくなるだろう。
「謹慎」が解けて、甘利氏、小渕氏が復権か
政調会長には意外な人物・甘利明氏が本命として浮かぶ。安倍氏の盟友の1人ではあるが16年1月、政治とカネの問題で経済財政担当相を辞任。以来、「謹慎」を続けてきた。昨年の衆院選も経て「みそぎ」も済んだということだろう。いきなり入閣すると国会で追及されるので、取りあえず党首脳として復権を目指すシナリオだ。
「みそぎ」といえば14年10月、同じく政治とカネの問題で経済産業相を辞任した小渕優子氏も、今回の人事で復権を目指す。