問題は保険に入っていない場合で、女子大生にはふつう多額の賠償責任補償を支払う財力がありません。しかし、その場合にも親が肩代わりして支払う義務はないので、親が財産を差し出し、支払えない場合は自己破産するというような事態にはなりません。

被害者の側からみれば、保険に加入していなくて財力のない加害者とぶつかって被害を受けた場合は、たとえ裁判で認められても賠償額を受け取れないこともあるのです。こういった事故の被害を受けないように、日頃から曲がり角ではいったん停止をするなど、十分に気をつけて過ごすことも大切です。

谷原 誠(たにはら・まこと)
弁護士法人みらい総合法律事務所・代表者社員弁護士
税理士。交通事故訴訟などを扱う。『「いい質問」が人を動かす』(文響社)など、著書多数。
 
(構成=生島典子 撮影=永井 浩)
【関連記事】
小5の自転車事故で"9500万賠償"の理由
実は"どこへもタクシー"が節約になる理由
礼儀・礼節が残念"モンスター新人"の取説
75歳以上は運転免許を取り上げるべきか
バカほど「それ、意味ありますか」と問う