最後に、交渉を有利に進めるために、顧客から話を聞き出せる“法則”を紹介しよう。顧客はどのような会話の流れで語り出すのか。それを明らかにしたのが図だ。

右は営業マン側が顧客から話を聞き出せたと思うポイント、左は顧客が営業マンについ口を滑らせてしまったと思うポイントを示している。

営業マン側はやはり質問を投げかけた点が最も大きなポイントになっている。一方、顧客側の1位は「話の流れ」、これに「相手の勢い・話術に押されて」「会話を持たせようとして」という沈黙を理由としたものが続いている。

「つまり、営業マンがうまく顧客が話したくなるように質問を投げかけ、適宜顧客の話に耳を傾けつつも、時折沈黙をつくることで顧客に口を開かせるという会話を意識しているということでしょう」(同)

これまで「聞く力」が重要であることは個々の営業マンへのインタビューでも明らかになっていたが、データとしてクリアに示されたことで、具体的にどのような話題を、どれだけ聞けばよいのかが明らかになったのではないだろうか。

今西良光
1982年、東京都生まれ。早稲田大学大学院修了。日立製作所、ファーストリテイリングを経て、2013年に現在の「エモーションテック」を創業した。
 
(撮影=村上庄吾)
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