今回は数字を使った簡単なマジックをご紹介したいと思う。まずは手元に電卓(スマホ)をご用意していただきたい。

最初に、あなたの好きな3ケタの数字をそこに打ち込んでほしい。ここでは「587」とする。そして次に、その数を続けて打ち込んで6ケタにする。そうすると「587587」になる。

さて、その数をまず「7」で割ってみてほしい。「587587÷7=83941」となる。さらに「11」で割ると、「83941÷11=7631」。そして最後に「13」で割るのだ。すると何とも不思議なことに「7631÷13=587」となり、あなたが最初に書いた数「587」に戻ったではないか。

不思議に感じるだろうが、これは偶然ではない。なぜこうなるのか、種明かしをしよう。

ある3ケタの自然数の百の位を「x」、十の位を「y」、一の位を「z」とすると、その自然数は「100x+10y+z」と表せる。重ねて6ケタにした数は、「100000x+10000y+1000z+100x+10y+z」と表せる。この式を変形すると、「100100x+10010y+1001z=1001(100x+10y+z)」となる。

カッコの中が元の3ケタの数字になっていることに気づくだろう。つまり、元の3ケタの数字に「1001」をかけたものが6ケタの数字ということだ。したがって、「1001」で割れば元の数字に戻るというわけである。

ここで、「1001」を素数のかけ算に分解(素因数分解)すると、「1001=7×11×13」となる。よって、6ケタの数を「7」「11」「13」で続けて割っても、元の数に戻るのだ。