フルフルという名前はかわいいが、こいつがなかなか手強いのだ。フルフルの大繁殖で頭皮に炎症が起きると、炎症を起こした皮膚を除くために皮膚の代謝が促進し、どんどんフケが出る。普通のフケ症のレベルを超えているので、肩には常にボロボロとフケが落ちた状態になり、「まぁ、あの人フケだらけ」と周りに気づかれてしまう。

さらに、フケが毛穴に詰まると、皮脂が毛穴の中で酸化して、ますますにおいが強くなる。もっと進行して毛穴の炎症がひどくなると、粃糠性(ひこうせい)脱毛症に発展し、脱毛することもある。

こうなると、通常のシャンプーだけでは対処ができず、洗っても洗っても、フケや脂の対策はできなくなってしまう。

この場合は、フルフルの繁殖を抑える必要があるので、抗真菌剤(ミコナゾールなど)を配合したシャンプーを使う方がよい。薬局やインターネットでも市販されている。ひどい場合は、皮膚科に相談して、外用剤などを処方してもらおう。

抗真菌剤はずっと使う必要はなく、炎症が治まったら中止し、適正な洗髪で予防していこう。

湯シャンで「シャンプーを休む」という選択

洗浄力の強いシャンプーを連用して、頭皮のターンオーバーが乱れると、乾燥する一方で、過剰な皮脂により頭臭や抜け毛の原因になる可能性もある。

基本的に、頭臭の対策と、抜け毛の対策は、皮膚のターンオーバーのサイクルと皮脂分泌の改善が目的であり、同じものだと考えよう。

刺激の弱いシャンプーに切り替える以外に、もう一つ提案したい選択肢がある。

シャンプーを休むことを、ここでは、「休プー」と呼ぼうと思う。福山雅治氏も実践している「湯シャン」もその一環だ。

完全にシャンプーを使わないことを、ノーシャンプーの意味で「ノープー」といい、少し前からSNSなどでも話題になっている。急に実践するのはハードルが高い人には、シャンプーを定期的に休む「休プー」を提案したい。

完全に湯シャンのみでは不安な方には、シャンプー以外の、クレイ(泥)や微生物を使った酵素シャンプーなどの、100%天然の洗浄・吸着剤を使う方法もお勧めだ。

これらの方法は、女性好みのような気がするだろうが、私の周りでは、男性が実践しているケースが多い。