大企業にいるから習得できるマネジメントモデル

もしあなたが今、大企業、大手企業にいるのでしたら、僥倖(ぎょうこう)です。たとえ自社のマネジメントの“仕組み”に無関心なタイプだったとしても、あるいは、ある日突然新しい仕組みが導入されて仕事のやり方が変わるのを面倒だと感じるタイプだとしても、それでもあなたは、日々の業務を通じて、絶えずアップデートされた“勝利のマネジメントモデル”の使い方を習得し、当たり前に使いこなしています。

三戸政和氏

集合研修で学ぶことは、OJTで習得して自然に使いこなしているモデルを体系化し、より深く頭で理解できるよう、理論化したものです。

そのように体系化された理論を頭でもしっかり理解することは、将来あなたが会社を買って経営者になるうえでは重要です。集合研修に真剣に参加していない人は、会社が“タダ”で与えてくれた、将来社長になり、資本家になるための勉強の機会を逸していることになります。正直、もったいない限りです。

理論というものは、そのマネジメントの仕組みを実務で使い、実践した経験のない人がいくら勉強しても、なかなか肚(はら)に落ちず、身につくことがありません。しかし、実地に経験を積み、マネジメントをしてきた人なら、基本はすでに身についているため、理論の理解も早いといえます。

中小企業は最新モデルを知らない

そして、そのあなたのマネジメントスキル(と、体系化された理論の学習)は、やがて中小企業の経営を担う際に、圧倒的な優位性となりえます。

大企業にいるあなたは、経営効率や生産性を高めるために営業管理、経理・財務管理、倉庫・物流管理、調達管理など、さまざまな業務管理システムが導入されていて「当たり前」と思うでしょう。

でも、中小企業の多くは、そんな新しいマネジメントモデルがほとんど導入されていません。

あなたの会社が、20年前、30年前にどの程度パソコンやオンラインシステムが整っていたかふり返ってみてください。中小企業の“今”はまだその状態に近いといっても過言ではありません。古色蒼然とした数十年前の管理の仕組みを、いまだに進化させることなく使い続けているところがたくさんあります。

いってみれば、会社そのものが「型落ち」。

もちろん、中には最新機器やシステムを導入している会社もあります。でもそれは、事業を行ううえで必要に迫られたからです。クライアントから先進的な業務システムの導入を要求され、「導入していただけないと、今後は仕事を発注できなくなります」などと言われて初めて、仕方なく導入する――そういうものです。

中小企業のシステム導入が遅れるのは、1に初期費用がかかるため、2にそもそもそのシステムの存在を知らないからです。