――17年、みずほフィナンシャルグループは1万9000人の人員削減を発表しました。3メガのなかで一番規模が大きく、真っ先に「人員削減」を打ち出しました。その理由は。

逆説的かもしれませんが、中途半端な言い方よりもあえて踏み込むことで「雇用を大切にする」というメッセージをここに込めています。今後リストラや早期退職を募る予定はありません。バブル期に大量採用した層がこれから退職期を迎え、かつ新規採用人数をコントロールすることで、今後10年間かけて人員の最適化を図るということです。つまり現行員がリストラにおびえる必要はなく、その意味で現在の雇用はしっかりと守るという宣言でもあるのです。

メガバンク3行 人員・業務削減計画

みずほ 2026年度までに1万9000人削減

三井住友 2020年度までに4000人分の業務を削減
三菱UFJ 2023年度までに9500人分の業務を削減

全銀協・藤原会長(みずほ銀行頭取)は「はっきり人数を出すことが経営者としての責任」。

しかし「いまのままでもよい」とも思わないでほしい。業務効率化で単純作業は確実に減っています。人材の再配置も行われるでしょう。当然、各人の努力も必要です。

いらない銀行員は、安定を求める人

――従来の「銀行業務」が変化していくなかで、今後みずほ銀行が求める人材像を教えてください。

たくましい挑戦意欲と正しい倫理・道徳感を持ち、自ら変化を生み出せる人材です。これまでの銀行志望者のなかには安定志向の人も多かったと思いますが、今後の銀行員に求めるのは、積極的に社会の課題を見つけ、解決していこうというフロンティアスピリットです。

新規採用者だけではなく、現在の行員たちにも積極的に異文化吸収の機会を用意していきたいです。積極的に異業種企業に研修、派遣することで、新しい視点や思考方法、人間性を磨く武者修行に励むとともに、ときに「銀行の常識は世間の非常識」であることも学んでほしいのです。

反対に安定・安心を求め、現状に満足してしまう社員はいらないです。